棒倒しは四つの大隊の有志(たまに強制)メンバーたちが、それぞれ攻撃と防御に分かれて相手の棒を倒す、防衛大学校開校記念祭に於けるメインとも言ってよい競技です。
前の記事>>防衛大学校には留学生もいっぱいいます。
わざわざ朝から並んで、グラウンド(陸上競技場)の最前を確保するファンもいるほどです。
「お~全体が見られるし、人も少ないし穴場かも。屋上」
「屋上だと迫力があまり伝わらないかもしれないけど・・・」
周りは教官らしきひと、学生たちくらいしかおらず ゆったりとした雰囲気です。
吹き抜けの中庭で行われる決起集会を上から眺められたり・・・・
「おお、彼女と観戦か」
制服姿の教官に声をかけられて恥ずかしそうな彼を見られたり・・・・
棒倒し 一瞬の熱戦
「おお!はじまった!」
屋上観戦組も、陸上競技場に雪崩れ込む棒倒しメンバーたちの登場に沸き上がりました。
棒倒しは4つの大隊のトーナメント戦で、はじめに2つずつが対戦し、2回戦=決勝です。
「いけー!!○大隊!」
周りの熱気をよそにお互いの健闘をしっかりたたえ合う両チーム。
「いただきます!」
なんて丁寧に返事する大隊も・・・
「ああ・・・どきどきしてきた」
彼も無言で頷きます。
なんだかんだ言っても彼も興味があり心配なようです。
棒倒しは昔、勝敗の不平から 優勝大隊を示す木札が真夜中に敗れた大隊メンバーにより盗まれたこともあるそうで・・・見守る学生たちにとっても熱いイベントのようです・・・
「おおおおーーーー!!!!」
陸上競技場から 小原台を震わせる雄叫びがしました。
大隊の誇りを背負った学生たちが堰をきった激流の如くぶつかりあいました。
戦いのあと
「あっという間だったけど、すごかったね・・・・」
各2分という短さに驚きつつも、それぞれの大隊の戦い方の個性にも目を見張りました。
真面目に勝ちに行く大隊
変則的な動きで相手を翻弄する大隊
明らかにエンターテインメントにはしる大隊・・・
個人戦な殴り合いを始める人たち・・・・
そして待機した救急車で運ばれる子・・・。
普段は見られない圧巻の光景でした。
棒倒し目当ての開校記念祭に訪れる人がいる理由がわかりました。
「かっこよかったね!彼くんはでないの?」
「あ~一年生のころメンバーになって痛い目にあったからいいかな・・・」
「え~感動したのに・・・・」
「見えてないけどあの棒もちとかすごいきついんだ・・・俺でかいからそういうところにまわされるし・・・・」
「そうなんだ・・・確かに救急車出動してたもんね・・・勝ったら喜んでたから興味あるのかとおもったよ」
嬉しいことに、彼の大隊が優勝したのです。
「あ~それは同期や後輩、上級生たちが勝ったのはうれしいし・・・・それに・・・」
彼はにやにやしています。
「それに?」
「こういうイベントで優秀だと、特別外出が増えるしね」
「・・・・・」
彼らしいと言えば、彼らしいです。
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